ARTEX・Strata

毎晩

2026-10-17

ARTEX・Strata

ARTEX・Strataウォッチ(夜) 2026-10-17

今夜は「ARTEXが戻ってきた翌日、韓国は道具より足元を見始めた」と「一つのモデル専用だったStrataが、二つ目のモデルと複数ユーザーに手を伸ばした」の2本立てです。

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ARTEX:問われているのは道具より、守る側の足元

昨夜は、ThreatBookがARTEXの商用版「ARTEX Pro」を含むRedAgentsを出した話でした。一夜明けて、韓国側の論調は「けしからん」から一歩進み、「そもそも銀行の守りはどうなっていたのか」に移ってきました。

ニュースと論点

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「ARTEXが商用品で戻り、金融圏に警告灯」— 헤럴드경제(The Herald Business、10/17)

AI hacking tool ARTEX returns as commercial product, raising alarms in financial sector(韓国語版)
今回の攻撃は勘定系を正面から破ったのではなく、ローン募集人向けの基盤や社員向け支援ツールといった、手薄だった周辺システムの「裏口」をAIで素早く見つけたものだ、と整理しています。同じ時期に同じ攻撃を受けても、新韓・KB国民・ハナでは流出が確認され、ウリとNH農協では確認されていない。その差は多要素認証やアクセス制御の有無、外に出ていた支援システムの範囲だった、という業界の見方を紹介しています。
記事の後半は人材の話です。金融監督院の職員2,236人のうち情報セキュリティ資格を持つのは49人(2.2%)、大手5行を合わせても68,565人中285人(0.42%)という国会提出資料を挙げています。当局が555社を点検したところ130社でパッチ未適用や監視の欠如などが見つかり、大手には脆弱性診断を年2回以上に増やさせる方針だそうです。延世大の권태경(クォン・テギョン)教授は「ARTEXを止めても解決しない。似た道具は多く、オープン版をダウンロードした人も多いので変種は出続ける」と述べ、政府・金融界・専門家の合同チームで10年単位の目標を立てるべきだと言っています。

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反応

테크M(10/16)の見出しは「非公開から8日で有料モデルに」。韓国メディアの受け止めは、商用化の速さへの違和感でほぼ揃っています。

解説

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「ARTEXとARTEXX、評価する前に確かめること」— FuturPulse(10/15)

Artex GitHub: What to Verify Before Evaluating ARTEX and ARTEXX
出回っているミラーの「ARTEX」と、よく似た「ARTEXX」のREADMEを読み比べた記事です。片方は元のDockerイメージが消えたことを明記して差し替え先を案内しているのに、もう片方は消えたイメージを指したまま。悪意の証拠ではないが、どちらも「信用できない評価用コード」として扱え、という結論です。
芯にあるのは「承認画面があることは、範囲が守られる証明にならない」という指摘です。モデルや取ってきた情報が別の宛先を指したときに止まるかは、ネットワーク・権限・ツール実行といったモデルより下の層で強制されていなければならない。だから評価では、範囲外の宛先に向かわせて「外へ出る前に拒否され、その記録が改ざんできない場所に残るか」を確かめるべきだ、と書いています。ログは動かしているホストの外に置く、緊急停止のあとにプロセスや接続が残っていないかも見る、といった防御側の点検項目が並びます。

見方(ここからは自分の考え)

FuturPulseの物差しは、そのままARTEX Proにも当てはまります。ThreatBookは「対象をホワイトリストで縛る」「実行を追跡できる」と言っていますが、それが画面上の仕組みなのか、外へ出る前に止まる仕組みなのかは、まだ外から確かめた人がいません。一方で헤럴드경제が示した「同じ攻撃で被害が分かれた」という事実は、AIの道具の強さより、多要素認証や外向きシステムの棚卸しといった基本の差のほうが結果を分けたことを示しています。道具の話と足元の話は、別々に進めたほうがよさそうです。

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Strata:「一つのモデル専用」の看板が、少し変わってきた

ニュース

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Strata 0.1.45(10/17)

Release 0.1.45
Qwen3.8-Flash-Next専用として知られてきたStrataですが、0.1.44で加わった二つ目のモデルQwen3.6-35B-A3Bが、今回で画像を読めるようになり、最大8件の同時リクエストもさばけるようになりました。全部の専門家がグラボに載るR9700(32GB)では、llama.cppのサーバー(llama-server)と比べて1・2・4・8件同時で83.9/173.5/252/325 tok/s対73.8/107/165/208 tok/sだったと作者は書いています。Flash-Nextの答えは前版とバイト単位で同じだそうです。
正直なのは注意書きです。専門家が全部載らないカードでは同時処理用の枠が専門家の置き場を食うので、1件だけなら4〜11%遅くなり、まとめても1.0〜1.15倍にしかならない。だからセットアップ自身が「複数のユーザーやエージェント向けで、一人のチャット向けではない」と説明するようにした、とあります。コミュニティからのPR(#2364)で、複数カード・多数ユーザー向けのスイッチも入りました(既定では無効)。4枚のR9700・16ユーザーで合計207→324 tok/s、最初の一語までの時間の中央値が20.6秒→2.0秒という作者側の計測です。

論考・体験記

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「3080 Ti 12GBで125Bを動かす」— V2EX(中国、10/13ごろ)

RTX 3080 Ti 12G 跑 125B MoE Qwen3.8-Flash-Next — Strata 安装跟实测
64GBのDDR4とPCIe 3.0の古めの機械で、初期設定の約32 tok/sを調整で76 tok/sまで上げた記録です。速さを決めるのは「メインメモリ容量、PCIe、メモリ帯域、VRAM、CPUの順」だという筆者の実感と、「入力と出力上限の合計が設定した文脈長を超えると、切り詰めずに400エラーで止まる」という落とし穴が具体的に書かれています。テストの関門が全部通っても、ゲームの中に競合状態のバグが残っていた例を挙げて「壊れていないことと正しいことは別に確かめよ」と書いているのも、ローカルLLMをエージェントに使う人には効く指摘です。後日の追記で「32Kは自分の設定値で、64Kが一番割がいい」と自分の結論を直しているのも誠実です。

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反応

同じスレッドでは、「数週間待てばMTPやGPUのLRUキャッシュのパッチが入って、llama.cppが速度でほぼ追いつく。llama.cppは全部の量子化に対応しているので出力の質は上。VRAMが16GBより多いなら今でも差は大きくない」という書き込みがあります。「同じやり方で他のモデルを動かせるものはないのか」という声もあり、0.1.45がQwen3.6に力を入れたのは、まさにそこへの答えにも見えます。

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「3Dすごろくを作らせて比べる」— Strata Issue #2456(10/14)

[[Benchmark] Snakes and Ladders in 3D: Comparing Strata Variations + Ollama and llama.cpp]( GitHub Niko1221/Strata)
RTX 5060 Ti(16GB)と96GBメモリの機械で、同じ「3Dのすごろくゲームを作れ」という課題を複数の構成に解かせ、動作・コード・遊びやすさを採点した報告です。Strataで動かしたFlash-Nextの最高は94.8点、llama.cppのGLM-5.3-Flashが65.1点、OllamaのQwen3.6-35B-A3Bが59.9点、llama.cppのQwen3-Coder-Nextが33.3点でした。速さではなく「出来上がりの質」で比べた珍しい報告です。ただしこれはエンジンの比較というより、「16GBのカードに大きいモデルを載せられること」と「小さいモデルで我慢すること」の比較だと読むのが妥当です。一人の機械、一つの課題での結果でもあります。

見方(ここからは自分の考え)

先日のsenn-techは「Strataは一人の机向け、vLLMは多数のエージェント向け」と線を引きましたが、0.1.45はグラボに余裕がある構成に限ってその線をまたぎにいっています。ただ、12〜16GBのカードでは同時処理は割に合わないと作者自身が書いているので、Strataの売りである「小さいグラボで大きいモデル」と「多人数でさばく」は、今のところ同じ機械では両立しません。

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全体の見方

ARTEXは、商用版が出たこと自体より、「同じ攻撃で被害が分かれたのは基本の守りの差だった」という見方が韓国側から出てきたことが今日の収穫です。安全装置を画面ではなく下の層で確かめよという評価の物差しも、オープン版にも商用版にも同じように効きます。Strataは「一つのモデル専用」から、二つ目のモデルと複数ユーザーへ少しずつ広がり始めました。llama.cppが追いつくのが先か、Strataが広がるのが先か、という競争の形が見えてきています。